思考錯誤録

頭でっかちな人間の見た景色

2020-01-01から1年間の記事一覧

【感想】静かな雨 宮下奈都

「あたしたちは自分の知っているものでしか世界をつくれないの。あたしのいる世界は、あたしが実際に体験したこと、自分で見たり聞いたりさわったりしたこと、考えたり感じたりしたこと、そこに少しばかりの想像力が加わったものでしかないんだから」 主人公…

【感想】ごろごろ、神戸。 平民金子

「神戸、どうなるんかね。良くなってほしいね、と思う。」年末年始に休めなかった分の休暇を取り、神戸に帰った。書店の店頭に平積みされた「ごろごろ、神戸。」。今回の帰省では、この本がいつも手元にあった。 大阪出身で色々な場所を転々として暮らし、ま…

2020年冬クールドラマ、序盤のひとこと感想

◯×は視聴の有無で、横の数字は今ここまで見ているという話数です。評価値ではないです。◯月曜フジ月9 絶対零度 × 過去作見てないので… テレ東ドラマBiz 病院の治し方 未 未見。パラビでそのうちみようと思っているが、初回2時間マジでやめてほしい。クール始…

「麒麟がくる」が来た。⑤斎藤利政vs反齋藤連合、加納口の戦い

⑤斎藤利政vs反齋藤連合、加納口の戦い頼純は母の実家越前の朝倉へ、頼芸、頼次親子は尾張の織田の元へ追放され、崖っぷちの土岐家。1544年に土岐、朝倉、織田、しれっと混ざる近江の六角の連合軍で美濃攻めを行う。ここまではいいのだが、ここから先の展開に…

「麒麟がくる」が来た。④「長井規秀」から「斎藤利政」へ、そして暗躍

④「長井規秀」から「斎藤利政」へ、そして暗躍1530〜33年にかけて、長井長弘を殺して長井規秀(のりひで)となったのちの斎藤道三。じわじわと勢力を伸ばしている。 その一方、終わらない土岐氏の争い。美濃国は、土岐頼武と頼芸(よりのり)の終わらない兄弟喧…

「麒麟がくる」が来た。③油売りの子が「長井規秀」になるまで

③油売りの子が「長井規秀」になるまで長い間、斎藤道三は一代で油売りから美濃国を乗っ取った下克上と言われていて、司馬遼太郎の「国盗り物語」でもそのように描かれた(読んだことはない)。しかし、最近の説では、これは親子二代で行われたのではないかとい…

「麒麟がくる」が来た。②美濃国の支配体制(斎藤道三以前)

②美濃国の支配体制(斎藤道三以前)応仁の乱から、斎藤道三が入り込んでくるまでのあらすじ。かなり入り組んでややこしい話になってます。前述の通り、守護は土岐氏、守護代は斎藤氏、小守護代(ここだけ訂正)は初め石丸氏→後に長井氏。応仁の乱(1467年〜)の時…

「麒麟がくる」が来た。①誰が国の支配者なのか?

大河ドラマが始まりました。美濃国がどうなっていたかを予備知識として調べたので、まとめておきます。①誰が国の支配者なのか?まず、平安時代までは国司(転勤ありの国家公務員の知事って感じ)が各地の行政を担当していた。荘園(私有地)は、荘園領主が管理し…