思考錯誤録

頭でっかちな人間の見た景色

「麒麟がくる」が来た。①誰が国の支配者なのか?

大河ドラマが始まりました。

美濃国がどうなっていたかを予備知識として調べたので、まとめておきます。

①誰が国の支配者なのか?

まず、平安時代までは国司(転勤ありの国家公務員の知事って感じ)が各地の行政を担当していた。荘園(私有地)は、荘園領主が管理していた。

武士が天下をとったので、1185年に源頼朝が【守護・地頭】を全国に配置、守護は軍事・警察を地頭は徴税を掌握した。

この時点で、国司(と荘園領主)と守護の支配は並列で、地頭は取り立てた年貢(税)を国司(か荘園領主)に納めていた。守護はもらえない。

鎌倉時代が終わって南北朝時代に入り、半済令という決まりが出る。

これによって、今まで国司(と荘園領主)に入っていた年貢の半分が守護のものになったので、その土地における守護の支配が強まった。【半済令

さらに、だんだん行政の機能を守護が引き受けるようになり、国司(と荘園領主)の存在感がさらに薄くなる。【守護請】

最終的には、守護が守護大名となり複数の国を支配し、さらにそれぞれの国を守護代(地元の有力者)が治める形に変わる。もはや国司は名前だけの人たちになる。なお守護大名は京都在住で幕府の仕事をしていた。【守護領国制】

という状況から、応仁の乱(1467年〜)で下克上のなんでもありに移行、幕府の任命とか関係なしに勝手に力で領地を広げ始める。【戦国大名

公領と荘園の区別もなくなり、城を建てて城下町をつくって法律(分国法)もつくって「俺の国」にしてしまう。

ドラマの舞台は美濃国

応仁の乱の後、美濃国は守護が土岐氏守護代は斎藤氏だった。さらに、斎藤氏の下請けの小守護代として斎藤氏の親戚にあたる長井氏、という三重構造の時期もあったらしい。

その中で実権を握ったのが斎藤道三で、美濃国の端の方の明智荘を治めていたのが明智氏、というのが1話目スタート時の状況である。

美濃国の情勢については次に詳しく。